VMware仮想マシンの移行業務でvCenterConverterを使用している方、また使用を検討している方は多いと思います。
使用方法は非常に簡単ですが、知っておくべきポイントについて記載をします。
このような方向け
- vCenterConverterを使用した移行を行う予定の方
(はじめに)vCenterConverterの基本的な使用方法
どのような画面があるのか、画面遷移などは多くのサイトで取り扱っているため割愛します。
また、vCenterConverterが使用する通信要件、解放するポートについては公式サイトを参照することをおススメします。
Firewallなどでポートが閉じられている場合は当然移行に失敗します。
処理が1%のまま進まない、などの場合はポートの解放漏れなどを確認しましょう。
公式サイト
知っておくべきポイント
vCenterConverterはサポート対象外
サポートの対象外の為、移行に失敗した際に正式なサポートを受けることができません。
自身で失敗原因を調査、解析する必要があります。
agentがインストールされる
vCenterConverterの送信元を選択した際(Source System)に、送信元にエージェントがインストールされます。
送信元が本番稼働中の環境の場合は、影響が無いと思われるエージェントでもインストールを気にする方が居ると思いますので注意してください。
実行する前、移行元を選択する画面遷移にてインストールが実行されます。
ポートの疎通確認などで、事前にvCenterCOnverterの画面を実行直前までチェックしたい、と操作をする場合は特に注意が必要です。
agentの起動に時間がかかる
エージェントはサービスとして移行元側で起動しますが、少々時間がかかるようです。
その為、タイムアウトが発生し、サービスが起動できないことがあります。
この場合、vCenterConverter側のSourceSystem選択画面でエラー画面が発生します。
エラー原因が不明な場合は、移行元のイベントログでエージェントのタイムアウトが発生していないかも確認してください。
解決方法としては、移行元のサービス起動タイムアウト値を伸ばすなどがあります。
※レジストリを触るので、OS再起動が必要になります
移行処理開始後のエラー
移行処理が開始した後のエラーについては、ログを参照してください。
失敗したタスクを右クリックするとログのエクスポートが可能です。
エージェント側(移行元側)のログ収集も行いますので、少々時間が必要になります。
vmware-converter-server-*.log
Converter自体のログになります。
failed等の文言で気になるエラーが発生していないか確認してください。
vmware-converter-agent-*.log
エージェント側のログになります。
ログエクスポート時点では別名(worker-*.zip > agenttask-*.zip)でZIP圧縮されているため、解凍して参照してください。
failed等の文言でエラー部分が無いかを確認してください。
エージェント側(移行元)からHOST(移行先)へのポート(902)が解放されていない場合は、以下の様なエラーログが出力されます。
Failed to connect to peer Error: Failed to connect to server <HOST名>:902
V2VでもIPアドレスが消える場合がある
P2Vの場合やHyper-VからのV2Vの場合は当然ですが、vmware間のV2Vの場合でも設定していたIPアドレスが消える場合があります。
特にvNICが複数設定されていて、IPアドレスを複数設定されているサーバの場合は移行前にIP設定を確認しておいてください。
移行後にOS上からIPアドレスが保持されていたとしても、意図したvNICに設定されていない場合もあります。
移行後に疎通ができなくなった場合は目的のvNIC(MACアドレスで確認)に目的のIPアドレスが設定されているか、の確認もした方が良いです。
※用途ごとにネットワークセグメントを分けている場合は、意図しないセグメントにvNICが接続されている場合があります
(windowsの場合)ライセンス認証が外れる場合がある
windowsサーバの移行を行う場合は、ライセンスが外れる場合があります。
P2Vは当然として、Hyper-VやvmwareからのV2Vでも同様です。
自動でライセンス認証できない環境の場合は、認証する方法について事前に確認しておいてください。
(Linuxの場合)P2V形式で移行ができる
vCenterConverterの仕様を確認するとわかりますが、Linuxの種類によってはV2Vに対応していない場合があります。
しかし、P2Vでは移行が可能ですのでLinuxを移行する際は注意が必要です。
また、ヘルパーマシンという一時的な仮想マシンを作成する必要があり、その仮想マシン用にIPアドレスを用意する必要もあります。
IPアドレスを自由に割り当てることが難しい、IPアドレスの払い出しが必要な場合は事前に準備しておきましょう。
さいごに(vCenterConverterで知っておくべきこと)
vCenterConverterを使用した移行について、知っておくべきポイントを記載しました。
移行環境により、その他多くのポイントがあると思います。
記載した内容が移行業務において手助けになれば幸いです。