中小規模のSES企業で20年働いた後、派遣会社の無期雇用に転職を行いました。
40代の転職で無期雇用とはいえ派遣会社で働く選択をする方は少ないと思います。
一般的に派遣会社には、マージンという中抜き、ブラック、派遣切りなど良くないイメージがあります。
ただ、中小規模のSES企業で20年間働いてきた私にとっては、これらはどの会社でもあり得る普通のことだと考えたため、エンジニア派遣へ転職する選択をしました。
このような方向け
- 40代で転職活動を行っている方
- 派遣会社で働くことに抵抗がある方、または転職先候補から外している方
書いた人の経歴
中小規模のSES企業にて約20年間働いたのち、同じIT業界の派遣(無期雇用)に転職。テストからテスト設計、サーバ系の運用保守から設計まで様々な会社を転々としながら経験を積んできました。
40代でエンジニア派遣を選択した理由
SES企業で働いていたということもありますが、以下の様な理由が挙げられます。
無期雇用派遣を選んだ理由
- エンジニア(技術者)が向いていた
- 転職元の会社で働き続けることへの不安があった
- 客先常駐の働き方に抵抗が無かった
- 派遣会社の方が決まりごとが明確だった(給料も含め)
エンジニア(技術者)が向いていた
同じ会社で長く働くと、必ず管理側(管理職)になるか技術者で居続けるかの選択をする時が来ます。
私の場合は、技術自体が好きだったということもありますが、管理側の仕事をするチャンスが貰えませんでした。
客先常駐が主になっているSES企業ではよくある話だと思います。
また、技術自体が楽しくて、社内業務をあまりしてこなかったことも理由だと考えています。
技術者として働き続ける場合、今のSES企業で似たような仕事だけをしているのはリスクが高いと考えました。
40代後半、50代で仕事がなくなった場合、最悪解雇という事もあるためです。
その為、技術力があれば仕事を続けることができる無期雇用の派遣会社を選択しました。
転職元の会社で働き続けることへの不安があった
働いていたSES企業はある有名企業関連の会社からの仕事が多くを占めていました。
その為、仕事が同じような内容ばかりになっていました。
似た仕事内容のため、どの常駐先に行っても仕事を始めやすいというメリットはありますが、新しい知識を得られにくいというデメリットもあります。
これが会社を辞めるまで続けられる可能性が高ければ問題は無いのかもしれませんが、数年後どのようになっているかは分かりません。
むしろ、50才を超えてから仕事が無くなる、契約社員に変更されるなどの可能性の方が高いと感じました。
(実際に契約社員に切り替えられた先輩社員の方も多く居ました)
その為、10年後の先を考え、異なる知識・キャリアを得るために多くの仕事・案件を扱っている派遣会社を選択しました。
客先常駐の働き方に抵抗が無かった
客先常駐での働き方はブラック等のイメージが強いですが、IT業界の会社では半分以上がこの働き方になっています。
この業界で働いていると、職場に派遣社員やSES企業の方が居ない職場が無い位です。
私の場合は20年間SES企業で働いており、客先常駐での仕事の悪い部分も良い部分も知っていますが、この働き方自体に抵抗はありませんでした。
むしろ長くこの働き方をしていて、かつ常駐先は変わりますが、現場で継続して働きたいと考えたため派遣での仕事は合っていると考えました。
派遣会社の方が決まりごとが明確だった(給料も含め)
エンジニアとして働き続ける場合、社内業務は必要最低限にしたいと考えています。
派遣会社の場合は、エンジニアは派遣先でその仕事に集中することができ、社内業務は行う必要はありません。
無期雇用は派遣会社の社員の為、必要な面談や資料の作成などは行う必要がありますが、それも最低限です。
エンジニアや営業、人事の方などの仕事の分担が明確になっている点が良いと考えた理由となります。
また、給与規定も明確です。
過去に在籍していたSES企業だけかもしれませんが、昇給は上司のさじ加減でした。
それに比べると、派遣での給与は派遣先との契約単価と社内評価で決められた給与テーブルがあるため、SES企業のような不透明さが無いです。
派遣会社の良くないイメージについて
派遣会社には以下の様な良くないイメージがありますが、SES企業で働いていた私からすると大きな違いはありませんでした。
良くないイメージ
- マージン(中抜き)について
- 派遣切りについて
- 低年収について
マージン(中抜き)について
エンジニアが現場で苦労して働いて得たお金を、30%~40%取っていく。
このような不満が多く書かれているのをよく見ます。
ただ、派遣先との契約や売込みなど、裏方の経理や営業の方などが仕事をしてくれているため、エンジニアは派遣先で仕事が出来、また、エンジニアの仕事に集中できます。
そのように考えると、働きやすい環境を作ってくれている方や、会社の利益の為にマージンを取ることは普通のことです。
もしも、それが不満と感じる場合はフリーランスとなれば良いだけの話です。
派遣先との契約、単価交渉、その営業活動、また給与のための経費計算などすべて自分自身で行う必要があると考えるた場合、マージンは必要経費である事は分かるはずです。
また、割合についても派遣会社は公表義務があるのでSES企業に比べれば公正だと考えています。
派遣切りについて
派遣先から急に契約終了の通知がくる「派遣切り」ですが、派遣に限ったことでは無いです。
SES企業でも常駐先の人数を減らしてほしい、来月契約更新を行わず全員終了などはあります。
派遣やSES企業の働き方自体がそういうものだと認識しています。
また、急な派遣契約終了、いわゆる「派遣切り」は有期雇用の場合は給料がなくなるため厳しいですが、無期雇用の場合は少し違います。
待機中でも派遣会社によりますが給料が支払いされるためです。
低年収について
エンジニア派遣に限った話では平均的な収入(400万~500万)はもらえると考えています。
上を見るときりが無く、また派遣会社の広告にあるような年収700万なども稀なケースだと思っています。
経験が無いうちは低い、といっても300万以上あると思いますが、経験や技術力が上がれば500万位は可能になります。
もしもIT経歴が長いにも関わらず平均的な年収(約400万前後)よりも低い場合は、2次受け3次受けの仕事しか会社が受注できていないと思われます。
受注する仕事は会社の規模や営業力に左右されるため、知名度が高い大手のSES企業や派遣会社への転職を考えることをおススメします。
※注意※ ブラックな派遣会社も多くある
派遣会社の数はかなり多いです。
その為、中には非常に低賃金で経験にもならない仕事をさせる会社もあります。
具体的に書くと、2次受け3次受けの会社へ派遣を出しているような派遣会社です。
給料が少ない場合は、派遣先がSES企業かを調べてみることをおススメします。
無期雇用で働く選択について
派遣会社では無期雇用で仕事をしています。
有期雇用のような、仕事を選べる自由度は無いですが、派遣先が無くても収入がある安定さを重要視したため選択しました。
希望する会社で働けない、という理由で無期雇用を問題視する方も多いですが、考え方の違いだと思っています。
大手企業の正社員でも異動で仕事内容が大きく変わることはありますし、出向などで子会社に行くこともあります。
SES企業でも仕事先は会社が決定します。
そう考えると無期雇用での働き方はそれほど悪くないと考えています。
さいごに(40代で派遣社員になった理由)
転職活動では2社から内定を頂きましたが、最終的には無期雇用の派遣会社を選択しました。
この判断があっているかどうかは5年後10年後にならないと分からないと考えています。
ただ、自分で多くのことを考え整理して判断したため、どのような結果になっても後悔はさほどしないかと思っています。
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