退職する際に会社側で積み立てられていた場合、そのお金を退職金として受け取れることがあります。
この退職金の金額ですが、有名な大企業だと定年で1000万円やそれ以上などと書かれていることが多いです。
しかし、中小SES企業の場合は、そもそも定年まで在籍していることが無く、退職金は無いか、もしくは非常に低くなっています。
このような方向け
- 中小SES企業で働いている方
- 退社するときの退職金を知りたい方
書いた人の経歴
中小規模のSES企業にて約20年間働いたのち、同じIT業界の派遣(無期雇用)に転職。テストからテスト設計、サーバ系の運用保守から設計まで様々な会社を転々としながら経験を積んできました。SES企業の現実、良い点も悪い点も経験済です。
SES企業で退職金が無い、もしくは低い理由
そもそも退職金の支払いは義務ではないため、会社側で制度を導入していないことがあります。
SES企業などは、退職金を支払うだけの余力が無いため、また、人の出入りが激しいため、導入していない場合が多いです。
また、多くの場合、退職金は会社が給与から少額を抜いて積み立てたお金になっています。
無い・少ない理由
- 義務ではないため(制度として導入していない場合がある)
- 人の出入りが激しいため
- 退職金は積み立てのため
人の出入りが激しいため
中小SES企業に限ったことではないですが、IT業界は人の出入りが激しいです。
会社の在籍年数を見てみると、長い会社でも平均18年間程度となっています。
短い会社だと平均で10年を下回ります。
その為、退職金を制度ととして組み入れても、微々たる金額しか支払う事ができないため、制度自体を導入していない会社も多いです。
退職金は積み立てのため
基本的に退職金は会社側が積み立てているものです。
プラスに考えると、会社側が辞める際に纏まった金額を渡してくれるように積み立ててくれている、ということになります。
この積み立てですが、SES企業自体そこまで給料が高いわけでもないため、微々たる金額になっています。
その為、退職金制度を導入している会社でも、金額自体が少なくなります。
退職金がどの程度もらえるか
実際に退職金がどの程度支給されるのか。
正式な金額は社内規定に記載されているはずですし、無い場合でも社内規定に無いと明記されていることが多いです。
退職金の確認方法
- 社内規定で正確な金額を確認する
- 「退職金共済制度」を確認する
社内規定を確認する
一般的な会社の場合は、社内規定に退職金制度についての記載もされているはずです。
この記載が無い場合は、「無し」と考えた方が良いでしょう。
社歴何年で何円と記載されていることもありますし、計算式で記載されていることもあると思います。
よく確認すべき点としては、自己都合退職の場合の記載です。
会社都合の退職の場合は記載された金額が支払われることが多いですが、自己都合の場合は何割か減らされることがあります。
「退職金共済制度」を確認する
退職金制度を導入していなくても「退職金共済制度」に参加している場合があります。
「中小企業退職金共済」や「特定退職金共済制度」などです。
会社側から掛け金を毎月払って積み立ててもらう社外の公的退職金制度です。
自社で退職金管理などを行うと色々と大変なので、社外の制度で管理してもらおうということです。
参加している場合は、これも社内規定に記載されているはずです。
どの程度、支払われるかについては、各共済制度のサイトで記載されています。
さいごに(中小SES企業の場合は退職金は無いと考える)
会社を辞める際に支払われる退職金ですが、中小SES企業の場合は無い、または非常に少ないことが多いです。
退職金をあてにした退職を行うことはあまり無いと思いますが、どの程度支給されるのかは社内規定で一度確認しておいた方がよいです。
また一般的に、退職金は給与から会社が少額を取って積み立てている物ですので、無い場合は「退職金を前払い」されていると考えても良いと思います。
その為、定年と言われる60才、65才位にある程度まとまったお金が欲しい場合は、会社の退職金をあてにするのではなく、iDeCoなどを活用し、自身で退職金を作ることを考えた方が良いです。
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