転職時の面談で必ず聞かれる質問に希望年収があります。
どの程度が適切なのか、正直に言っても良いのか、会社に合わせるべきなのか迷うと思います。
正解は無いため、現在の年収を基準に考えて許容できる金額を回答するしか無いです。
しかし、その前に現在の年収と、希望する転職先の昇給状況を理解しておく必要があります。
このような方向け
- 転職活動を行っている方
- 希望年収を実際どのように判断するか迷っている方
書いた人の経歴
中小規模のSES企業にて約20年間働いたのち、同じIT業界の派遣(無期雇用)に転職。テストからテスト設計、サーバ系の運用保守から設計まで様々な会社を転々としながら経験を積んできました。
希望年収を出す場合に知っておくべきこと
希望年収は現在の年収を基準として判断するしかありません。
そして希望年収と最低年収は考えておく必要があります。
この2つの金額を出すためには、以下のポイントを理解していなければなりません。
ポイント
- 現在の年収の考え方について
- 現在の必要年収の計算について
- 転職先の募集内容について
現在の年収の考え方について
現在の年収は、会社が自分を評価してくれた金額になります。
在籍年数が長ければ長い程、基本的には評価は上がり、年収も高くなっているはずです。
そのため、転職活動で同じ年収かそれ以上を希望する場合は、即戦力であることを転職先に示す必要があります。
年収を下げない転職をするためにも、自分自身を売り込める強みを見つけておきましょう。
強みがあれば現在の年収以上の金額を希望年収として回答出来ますし、目立った強みが見つからない場合は現在の年収と同等が希望年収になるかと思います。
ただ、社会人を長く続けていれば、強みは必ずあります。
転職活動は今後の将来を決める大事なことですので、じっくりと後悔の無いように今までの経歴を棚卸し、自身の強みを見つけましょう。
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現在の必要年収の計算について
現在の年収に対して、その程度貯蓄が出来ているかを知っておく必要があります。
要は、今の生活を継続するための必要な金額です。
この金額が生活するために必要な年収になります。
あとは、その金額にどの程度の上乗せ、貯蓄をしたいのかで計算すれば、最低年収がある程度割り出せます。
年間300万円の手取りがあれば生活が維持でき、年間50万円の貯蓄をしたい場合は、350万が必要。
税金関係を考慮すると、年収としては約450万円となります。
あくまで目安ですが、年収に対するおおよその手取りは以下になります。
年収 | 手取り |
350万 | 280万 |
400万 | 315万 |
450万 | 350万 |
500万 | 390万 |
550万 | 425万 |
600万 | 465万 |
650万 | 495万 |
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転職先の募集内容について
求人内容に想定年収が記載されているはずです。
転職先として考えている企業でも想定年収が自分の希望とかけ離れている場合は内定を貰うことが難しくなります。
また、想定年収はある程度の幅で記載されています。
300万~600万などです。
基本的には安い金額に近い値を想定年収として提示されることが多いため、最低希望年収がこれよりも高い場合は最終的に最低年収を下回る金額を提示されることもあります。
その為、求人で公開されている想定年収が最低希望年収よりも大きく差がある場合も注意が必要です。
転職先の働き方で知っておくべきこと
働き方でも希望年収を考慮する必要があります。
昇給の有り無し、容易さについてです。
社内開発、社内SEなどの場合
自社勤務の場合、昇給判断を上司が行うことがほどんどです。
明確な判断基準、数値などは無いため、なかなか昇給しない場合もあります。
その為、自社開発や社内SEへの転職を行う場合は、現在の年収以上の金額を出してくれる会社を選んだ方が良いです。
そうしないと、社内SEで働き始めたけど、年収がなかなか上がらず、結局また転職活動をすることになります。
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SES企業の場合
SES企業も給料の仕組みは社内SEと類似していることが多いです。
上司の評価によって昇給が決定します。
昇給幅は会社によって異なりますが、それほど大きく無く、むしろ低いです。
理由は単純で、客先から入ってくる金額が固定されているため、多く社員に払うと会社の利益が無くなるためです。
その為、SES企業の場合も現在の年収以上の金額を出してくれるような会社を選ぶべきです。
派遣会社の場合
派遣会社は給与の仕組みが明確になっていることが多いです。
というか、マージン率などを公開する義務があるため、派遣先との契約金、単価が分かれば計算もある程度できます。
派遣先からの単価が上がれば、上司の評価などは関係なく、給料に反映されます。
その為、派遣会社の場合は現在の年収より低くても、社内の規定がはっきりとしている会社を選べばよいです。
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転職理由も考慮に入れる
転職理由は人それぞれです。
やりたい仕事があるために転職をする、キャリアアップのため、今の仕事がきつすぎるため、上司と合わずに日々のストレスを解消するため、など。
どの程度許容できるか、やりたい仕事の為に、現在の生活が維持できる金額があれば年収が下がっても良いなど、全体的なことを考えて希望年収を考えるようにしましょう。
さいごに(現在の年収を基準に考える)
希望年収としては、現在の年収から、強みがあればプラスをする。
最低希望年収は、初めに生活に必要な金額を算出する。
その金額に、想定する貯蓄額を加算すれば出てきます。
転職候補の仕事内容や、転職をした理由、目的を考慮に入れ、若干のプラスマイナスを行えばある程決まると思います。
また、算出した希望年収が、転職候補の想定年収範囲内に収まっていることも確認をしましょう。
面談で一度でも希望年収を話してしまうと、その後に交渉を行うことが難しくなるため、利用している転職エージェントに希望年収の確認をするのもありです。