転職にて内定が出た場合、想定年収の提示が行われます。
面接時に希望年収は伝えていると思われますが、あくまで希望であり、その通りの年収が提示されるわけではありません。
現職の年収よりも低い金額を提示されることも当然あります。
年収ダウンの転職はしない、と想定年収だけで判断せずに、全体的に見ることをおススメします。
このような方向け
- 40代で転職活動を行っている方
- 内定は出たが、想定年収が現職よりも低い金額を提示された方
書いた人の経歴
中小規模のSES企業にて約20年間働いたのち、同じIT業界の派遣（無期雇用）に転職。テストからテスト設計、サーバ系の運用保守から設計まで経験しています。
（40代の場合）年収維持かダウンが普通
40代になると役職が付いていたり、重要なポジションで仕事をしている方が多いと一般的には想像されています。
しかし、全員がそのような立場になっているわけではありません。
管理職へ進む人もいれば、技術や経験を磨いて現場で働き続ける人も居ます。
役職が付くような転職をされる方は年収を上げることができると思いますが、技術力が強みの場合は現状と同じか低い場合が多いです。
採用する企業側からしても経歴書や数回の面接のみで、その人の技術力を見極めるのは難しいため、高い金額を提示しにくいと考えられます。
また、40代の場合は、管理職を除けば現職の会社内で年収が高い位置に居るはずです。
役職など明確に目に見える経歴が無い場合は、やはり現職以上の年収は難しいでしょう。
内定通知で年収ダウンの提示を受けた場合
内定通知で年収ダウンの提示を受けた場合、転職した目的や、現在の年収との差額、入社後の昇給昇格など、全体的に見て判断をしましょう。
転職目的について
転職目的は人それぞれです。
年収を上げる目的で転職をした場合、年収がダウンする転職は当然ですが意味がなく、リスクしかありません。
昔と違い、今では40代でも転職は可能なため、目的に合った転職活動を続けても良いと考えています。
しかし、それ以外の理由、やりたい仕事がある、現職の仕事環境が悪い、人間関係が良くない等が理由の場合は年収ダウンを許容できるかを考慮して判断することが必要です。
現在の年収について（手当等を考慮する）
現在の年収について、手当や残業代の考慮が必要です。
残業を含まない、また、通勤手当を含まない純粋な現在の年収を知っておいた方が良いです。
月に30時間など残業している場合は、当然年収も変わりますし、通勤場所が変わるならその手当の金額も変わります。
提示された想定年収と現在の純粋な年収について比較するようにしましょう。
内定通知の想定年収について
提示される想定年収の条件について残業代を含んでいるか、見込み残業などがあるかを確認しておいてください。
特に見込み残業については注意が必要です。
残業代を100%支給の場合は、想定年収が現在の年収よりダウンしていても実際は残業代で同じくらいの値段になる場合があります。
特にＩＴ業界の場合は残業が無い現場の方が稀で、ある程度残業が発生する現場がほとんどです。
残業代等明記されていないことは無いと思いますが、もしも記載が無い場合は確認は必須になります。
昇給昇格の制度について
内定通知を受けた後に内定者面談があると思います。
最終的な確認するための面談となり、面接とは異なります。
ここで、改めて想定年収や社内規定なども簡単に説明してくれるはずです。
昇給についても話をしてくれる企業もあり、明確な規定がある場合は、すぐに現在の年収と同等になる可能性もあります。
仕事を正当に評価してくれる、つまり昇給制度が明確になっている場合は、転職先として考慮してよいと考えています。
実際の転職活動で提示された想定年収
40代で実際に転職を行いましたが、2社から内定を頂きました。
提示された想定年収は1社が約5%減、もう1社が20%減（金額的には100万以上減）でした。
後者の企業は、昇給制度が非常に魅力的で、5年程度働けば現在の年収と同等になり、それ以上働けば超えるものでした。
ただ、前者の企業、現在の無期雇用派遣ですが、こちらも給与システムが明確だったため、こちらに転職を行いました。
半年毎に基本給の見直しが入るため、提示された想定年収は転職前の年収よりダウンでしたが、最終的には同じかそれ以上になる見込みです。
さいごに（年収ダウンの提示でも全体的な考え方が必要）
内定が出たが提示された年収が現在よりも下がっている場合、転職目的や残業代を考慮した判断が必要です。
現在の年収について残業代や手当を省いた金額が計算出来ているか、提示年収に見込み残業が入っているか。
また、社内規定で残業代が100%支給されるのか、昇給などの給与システムが明確になっているか。
単純に現在の年収と想定年収の金額だけをみて判断してしまうと、せっかくの優良な企業からの内定を逃してしまうかもしれません。
転職後に、転職してよかったと思えるように年収以外の部分も考慮して転職活動を行ってください。
