別業界からIT業界へ転職をする場合、自社開発の会社かSES企業か無期雇用の派遣、どれを選べばいいのか。
自社開発の会社へ転職出来る場合はそれが最善ですが、正直なところ難易度はかなり高いです。
現実的には、SES企業か派遣会社になることが多いです。
どちらにもメリットやデメリットはありますが、もしも年齢が20代の中盤までの場合は、どちらかというとSES企業をおススメします。
理由は、同じ会社のメンバーで構成されたチーム単位で仕事をするためです。
このような方向け
- IT業界に転職したいが、転職先に迷っている方
- 未経験でITの仕事に不安がある方
書いた人の経歴
中小規模のSES企業にて約20年間働いたのち、同じIT業界の派遣(無期雇用)に転職。テストからテスト設計、サーバ系の運用保守から設計まで様々な会社を転々としながら経験。SES企業、派遣会社の両方の働き方を経験中です。
SES企業を勧める理由
SES企業を勧める理由としてはチーム体制であり、また企業の体系的な部分を知ることが出来るためです。
お勧めする理由
- 同じ会社の人とチーム体制で仕事をする
- 企業の体系的な面が分かる
同じ会社の人とチーム体制で仕事をする
未経験で入社した場合、仕事の仕方がわかりません。
SES企業では、同じ会社の人とチーム体制で仕事をしているため、上司が近くにいることになります。
そのため、相談がしやすく、また上司も未経験であることを知っているため基本的なところから教えてくれます。
上司も部下の教育・育成は業務であり必須なので放置されることは無いです。
実際の業務の中で仕事のやり方を教わることができ、また質問もしやすい環境であるため、おススメできます。
簡単な仕事でも、理解して作業することで知識になり、経験にもなります。
2~3年も現場で作業を行えば、指示された作業しかできない「経験者」ではなく、作業の目的を理解した「経験者」になることができます。
企業の体系的な面が分かる
どのような業界から転職してきたかによりますが、SES企業も一般的な会社です。
その為、自社の作業も当然ありますし、昇格などもあります。
社内での会議やコンプライアンスなどの勉強会、上司への報告、またチーム内での役割が変われば契約的な面も知ることが出来ます。
ずっと現場で、技術だけで仕事をしていきたいと考えていても、このような経験は5年後10年後、または別の企業への転職をする場合に役に立ちます。
SES企業のデメリットもある
SES企業と派遣を比較した際のデメリットについても知っておく必要があります。
デメリットとしては以下になります。
デメリット
- 派遣(無期雇用)よりも入社難易度は高い
- 昇給システムが不明確
派遣(無期雇用)よりも入社難易度は高い
SES企業では初めに未経験者を募集している会社探しから始まります。
また、会社の規模にもよりますが、採用する人数がかなり限られています。
競争率が高い上に、会社としては当然経験者を優遇するので、未経験者の場合はさらに難しくなります。
昇給システムが不明確
SES企業にかかわらず、一般的な会社に共通することですが、給与のシステムが不明確な会社が多いです。
主任などの役職が付けばどの程度手当てが付く、などは当然あります。
しかし、昇給の基準が不明確で1年働いてもほとんど基本給が変わらなかったということもあります。
常駐先に仕事の難易度が高くても低くても、単価が高くても低くても変わらないことの方が多いです。
なかなか年収が上がらないため、年収を上げるために残業をしている、というのも良く聞く話です。
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SES企業選びの注意点
SES企業をおススメしましたが、注意点も当然あります。
会社を選ぶ際は、以下の様な点を確認してください。
避けた方が良い会社
- 社員数が少ない
- 内定通知書の想定年収が低すぎる
- 見込み残業がある
社員数が少ない企業の場合、入社後の教育など、受け入れシステムが整っていない可能性があります。
そのような基本的なことが出来ていない場合、社員が直ぐに辞めていく、未経験でチームに入れられるため、客先からの信頼度が低く仕事量(案件数)が増えない、つまり社員数が増えないという悪循環になります。
社員数が少ない会社を選ぶ場合は、なぜ人数が少ないのかを知っておく必要があります。
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想定年収が低い、見込み残業についてはSES企業のデメリットでも記載しましたが、会社自体の年収が上がりにくいためです。
昇給はあるけど、もとが低いため、全然年収が増えない。
残業しても、見込み残業があるので残業代が付かない。
会社選びを間違ってしまうと、いくら働いてもずっと年収が低いままとなってしまいます。
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SES企業に入社後は(次を考えるべき)
20代中盤でSES企業に入社でき、IT業務の経験を積んだ後は色々な選択肢があります。
そのままSES企業で昇格を目指すのか、更なる技術力を付けることを目指すのか、もしくは難易度が高かった自社開発の会社、社内SEを目指す等です。
30代中盤までに、今後の働き方を考えて行動することができれば、転職活動でもかなり有利に進めることができるはずです。
30代でIT経験が10年前後、経験してきた業務内容やチーム内の役割にもよりますが経験値もある、このような方は多くのIT企業が欲しがる人材となっているためです。
当然、年収を上げる転職が出来る可能性も高いです。
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さいごに(IT経験を付けることができるSES企業をおススメ)
20代の未経験でIT業界へ転職する場合は、SES企業をおススメします。
SES企業の場合は、チーム体制で仕事をするため、上司にあたる方に相談がしやすい環境の為です。
気軽に相談できる環境の場合、仕事についての様々な考え方を効率よく理解することができます。
仕事のやり方や考え方を理解した上で技術力を付けると、他の会社でも通用する「IT経験者」になることが出来ます。
そうなると、さらに技術力に磨きをかけるか、会社内で昇進を目指すか、またはもっと待遇の良い会社へ転職するのかなど、選択肢の幅を増やすことが出来ます。